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書く ―CHの二次小説を扱っていマス。
マフラーをあなたに(カプチーノ)
「香さん進んでる?」

今日も依頼のない伝言板を確認して、帰り道に立ち寄ったキャッツでの会話。


「あはは。まあ…ぼちぼちと…」

頭を掻きながら照れ笑いする私に

「そう。喜ぶといいわね。冴場さん」

コーヒーを目の前に差し出しながら微笑む喫茶店の店主。


「美樹さんは進んでる?」

「もちろん」

そう言うと、嬉しそうに編みかけの黒色のニット帽を見せてくれた。
よく見ると飾り編みが施されて、手がこんでいた。

「すごいー。売り物みたーい!!美樹さんって本当に器用よね」



「そんなことないわよ。器用というよりは、編み物とか裁縫が好きだからだわ。まあでも、うまいヘタよりも愛情よ。香さん」

「あははは…愛情ね…」


ウインクしながら言う美人店主は、愛情と言う言葉がよく似合う。
それに引き換え、あたしはどうだ。

むしろあたしとリョウの間に愛なんて言葉が存在するのかどうかさえ、甚だ疑問が残るところだが…





しかしなぜこんな会話をしているかというと、


先日美樹さんとたまたま入った手芸ショップで、クリスマスプレゼントを手作りにするという話になった。
美樹さんは海坊主さんにニット帽子を編むという。



はて、自分はどうしようかと店内をぐるぐるしていると、セールの札がついた紺色の毛糸が目に入る。


―そういえばアイツ、マフラーとか持ってなさそうだな。最近、首元寒そうだし…

この色なら、リョウに似合いそう…しかもなんたって市販のマフラーを買うより安いわ!!!



という半分は不純な理由でマフラーをあげることにしたのだった。


なんとなく…

手編みのプレゼントということに、少し気持ちが重すぎるんじゃないかと抵抗があったけれど、理由が決まれば作りやすい。



「そうよ!!愛情というより、経済的に手編みなのよ。美樹さん。そうと決まれば早速本腰入れてマフラー作るわ。コーヒーごちそう様。」

「…?」

脱いでいたコートを羽織って、驚き顔の美樹さんに手を振ってキャッツを後にした。


一歩外にでると、空気はひんやり冷たいが、いつもより賑やかで活気のある12月の街。




クリスマスまで
あと少し







☆☆☆☆☆☆
クリスマス話。
まだ香とリョウちゃんは微妙な距離感のとき
♪〜θ(^0^ )


後編へ続く



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