書く ―CHの二次小説を扱っていマス。 鈍い痛み(ブラック) 仕事を終え、ミニに乗り込みキーを回す。 エンジンが鳴り、サイドブレーキを下ろしてアクセルを一気に踏み込む。 明け方の5時だというのにまだ辺りは暗い。 ふいに胸のあたりに鈍い傷みが走る。別に傷つけられた訳ではないのだが。 この傷みを誤魔化すように、胸ポケットから煙草を取り出し火をつけた。 昨晩香が寝たのを確認して一人で家を出てきた。 人を殺るのは初めてではないのだが、この鈍い傷みは毎回つきまとう。 俺も単なる人間なのだと感じてしまう。 ―香 この痛みを受ける度、アイツを同じ世界に引き込むことが怖くなる。 かといって、アイツがいない世界で、俺は正常にこの痛みと向き合って、果たして生きていけるのか。 ―酷い男 いつかの女がそう吐き捨てた、口紅の鮮明な赤色を思い出す。 思わず煙草の煙を胸の奥に吸い込みすぎて、咳き込んだ。 ―そうさ。俺は臆病でわがままな男なのさ あの日の俺はそう答えた。 ☆☆☆☆☆ いつもよりシビアに。 アニメのエンディングのgetwildの世界観で 孤独を背負ったリョウちゃんが好きです [*前へ][次へ#] [戻る] |