書く ―CHの二次小説を扱っていマス。 香り (糖質ゼロ) よく晴れたおだやかな昼下がり― 香の作ったナポリタンをぺろりと平らげたリョウは、 窓をあけて、新宿の空気を鼻一杯すいこんだ。 ここちよい風が彼の髪をなでていく。欠伸をしながらタバコを一本くわえて、 床にあぐらをかいて腰をおろす。 タバコに火をつけて煙を肺まで吸い込むと、新宿の臭いとタバコの味が混ざりあって、彼を深く落ち着かせたのだが。 (食後の一服は最高だ。が、何か足りない。) すると、くんくん リョウの鼻に香ばしくいい香りが近づいてきて、 なにも言わなくても目の前に、褐色をした綺麗な液体が白いカップに注がれて手渡される。 「おっサンキュー」 香はリョウが床にすわっているすぐ横で、開け放たれた窓から、空を見上げて伸びをしている。 リョウは褐色の液体を口に流し込んだ。苦味と渋味とタバコの香りが口に広がる。 そこに香の優しい臭いもリョウの鼻に届いてきて、心地よく彼の心を満たしていた。 密かに彼はこの瞬間が好きだ。 愛しいものがそばにいて、何気ない日常の気の抜ける瞬間。 リョウはコーヒーを口に運びながら、香の後ろ姿を眺めて目を細めた。 すると、誰かに向かって彼女は手を振りだした。 リョウはカップを床において香の隣にさっと立つ。 すると冴場アパートの通りを買い物帰りの美樹が、笑顔で手を振っていた。 「わぁお!美樹ちゅあーん!ボキのベッドで休んでかなーい!?」 「おのれは、仕事探してこい!!」 すかさず、香のハンマーが降り落とされたのだった。 「相変わらずねえ…」 美樹はいつものお決まりの光景に苦笑した。 しかし、ちゃんと見ていた。美樹を口説いていた時、リョウがさらっと香の腰に手をまわしていたのだ。 「ふふ、まったく素直じゃない人だわ」 美樹は微笑んで、今だ痴話ゲンカをつづける二人を背に、ファルコンが待つキャッツアイに歩きだした。 ☆☆☆あとがき いも子のイタラナイ 初小説読んでいただき ありがとうございます。 全然甘さが少ない感じで 物足りなくてすみません。原作程度の設定でございます。 これからも日々精進してゆきます。分かりづらい部分が多々あって申し訳ナイジェリア。(寒 感想などいただけると、涙を流して喜んでしまう人です。 [次へ#] [戻る] |