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絶対服従のまほう
4


「泣くなよアホ」
「うぅ…ぐっ、うッだって…」
「泣くなって…俺も泣きたくなるから」

抱きしめた成長不足の身体が不意打ちの告白にアゴを上げて俺を見やる。小さいそいつを潰さないよう意識して、俺も片寝でアゴを引いて視線を結ぶ。

「なんで林が泣きたくなるの…悪いのはオレじゃん」
「違うって。悪いのは俺…てかどっちが悪いとかないよ」
「…よくわかんない」

何語しゃべってんの?
みたいな顔で見るな

可哀想な頭と表情の栗原に俺的に優しく説いてあげる。

「だからさ、また今度ゆっくりじっくりシようってこと」
「またあぁッ?!」
「またって俺が不能みたく言うな」
「オレできるっ!我慢するからぁ、アギャッ!!」

裸の首にしがみついて食い下がるから尻の曲線を辿ってやる。痛くはないだろうけど掠れた叫喚で身体は拒絶を訴えてる。

「だから俺はそうゆう我慢とかはいらないの。この気持ちは分かってくれる?」
「ん、わかった…かも」
「おりこうさん」

よく頑張ってくれましたの気持ちを籠めて、右手でコツコツした背中やら腰を撫でてほんの少しの慰め。
腫れた目蓋を唇でくすぐって、まつ毛の震えを味わう。頬を濡らす塩辛い水が止まったことに安堵して、居場所のなかった足を自分よりけっこう短いそれに絡ませた。

「この体勢は嫌じゃない?」
「うん。好き」
「そう、よかった」

きらいじゃない、すき
いい言葉だと思った。

痛みで萎えてしまったペニスと未だガチガチのが触れ合って熱の差がリアルだ。栗原を緊張させることは分かりきっていたけど。

いくら恰好つけても
気取ってみても

等身大の俺はこんなにも酷い醜いヤツなんだよ

「ねぇ、ほんとに今日はこれでお仕舞いでいいの?」
「いいんだよ」
「……でも当たってる」
「そう?」
「口でスル?」

心配気な下がり眉がやたらに犬くさい。くしゃくしゃに乱れた髪に指を差し入れて後頭部鷲掴みにして近距離からキス。

「ンッ、あふ…」
「いらない。そんなのシなくていいから俺の腕の中にいればいいよ」
「うッ、ぅん…うん…」

肩の窪みに乗っけた顎から涙が降った。また一瞬でスコールになってしまって顔は見ないまま、首筋に赤い鼻先押し当てたままの背を撫でる。

ぐすぐす鼻をすする音が鼓膜を直撃して、その痛々しいメロディに股間の熱が冷めていくことを祈った。

思いはなかなか通じなくって歯がゆいほど硬度を保つソレにほんとに泣きたくなった。

必死になって栗原が歪めたシーツの皺を数えてみたけど、無数の山に谷になった白い生地に彼がどれだけ耐えてたか思い知らされて 自爆。



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あきゅろす。
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