絶対服従のまほう 1 眠い 一晩中ネットしてて寝てませんってなんかダメだろ しかもググった内容が思春期真っ盛りな匂いプンプンするし。危ないサイトに飛ぶのもしょっちゅうでヒヤヒヤした。 だけど17歳の青少年ならネットで卑猥な情報得るのも当然。みんなやってるし。 むしろ男らしい そしてオレが開いた画面も全てにおいて男だらけである意味男らしかった。 「ってやっぱダメだろオレッ」 「うわっ!なに突然?」 オレがいきなり大声上げたから佐々を驚かさせてしまった。佐々の手に収まったビーカーが大きく揺れてる。 5限前の昼休み。 そんで科学室。先生に言われて次の授業準備にかり出されてしまった。佐々と密室で2人っきりなんて初めてだから少し緊張してしまう。 とにかく謝らなきゃ 「はは…ごめん」 「んん別に。栗原のなにがダメなの?」 「うっ…」 とても考えてた内容は話せない。例え美人な佐々の透明な笑顔に吸い寄せられても話せません。 可憐な彼は無理矢理にオレを促そうなんてことはなくって、淡い頬笑みで待っていてくれる。長身の魔法使いとは大違いだ。 「そんなことより佐々が科学部ってこと知らなかった」 「ん〜変かな」 「じゃなくって意外ってことだよ」 話題変えるの下手すぎるオレ そういや佐々も話題変えるの下手だったな。なんて、この間の体育の時間に話したことを思い出した。 彼女とか片想いとか、確かそんな話し。聞きたいけどなんだか聞いちゃいけない気がする。 「けっこう楽しいよ。部員は少ないけど好きな時にゆっくり実験できるし」 「ふ〜ん。実験ねぇ」 「栗原も入る?2年生はオレだけだけど」 「えっ!オレはバカだから無理だってっ」 「そっかぁ〜残念」 がさつとは程遠い笑みを惜しげなくくれる。ビーカーに反射した光が、真っ白な肌を滑ってきらめく。 ほんと細くて小さくて、こう庇護欲を誘ってくれる雰囲気がある。女の子と違う色気があるって言ったら失礼なのかな。 「その…興味があったらいつでも声かかけてよ。栗原ならいつでも歓迎だから」 「うんっ」 でもオレ的には実に羨ましい すっごく優しいし、ほんと羨ましいかぎりです [*前へ][次へ#] [戻る] |