無邪気な君とロリコンな僕 ページ:6 そう思いながら、顎をあげ、オレンジ色に染まった空を眺める。 夕焼けは寂しくて切ない。 それを見てると、涙が溢れそうになったが、グッとこらえた。 そして、そんなときだった… 「ねぇ、お兄さん、もしかして私のこと描いてくれてた?」 前方から、あの幼くて可愛らしい声が聞こえてきた。 僕は驚いて、すぐに視線を前方に向ける。 そこには彼女がいた。 僕がこの2ヶ月間、恋い焦がれてきた小さな少女が微笑していた。 僕は、今、この現状がさっぱり理解できず固まってしまう。 それもそのはずで、僕は、彼女に恋に落ちたあの日から、一回も彼女と会話をしていないのだ。 「え、あぁ、うん。」 目の前には、あの愛しくてたまらない小さな少女が微笑んでいる。 心臓がいっきに心拍数をあげ、踊り狂ったかのように脳内が至福で満たされる。 「本当?ねぇ、見せて、見せて。」 彼女は僕の返事を聞くと、嬉しそうに僕の腕を掴み振り回す。 柔らかい感触と彼女ねぬくもりが僕の腕に伝わる。 一瞬、これは現実なのかと疑問に思ってしまう程のできごとだった。 [*前へ][次へ#] |