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Original Story -short-
電話



プルルルルプルルルルプルルルル………


(今日も出ないだろうなー……。
そろそろ切ろうかな………)


ガチャッ


『もしもし?』

「え、あ、え!?
も、もしもし!」

『何驚いてんだよ、電話掛けてきといて(クスクス』

「で、出ると思ってなくて……。
忙しいって言ってたし………」

『あぁー……まあな。
ごめんな、いつも待ってもらってばっかで…』

「うぅん、大丈夫だよ。
勉強、大切だもん」

『……ありがと。
その言葉に、俺けっこう救われてるんだぜ?』

「何それ(クスクス
大袈裟だなぁ」

『いや、ほんとだって。
お前がそう言ってくれるから、地元離れた今の大学入ったし、一人でも頑張れるんだぜ?』

「ふふ、そう?
私の言葉が助けになってるならよかった」



……………………………………………………

「でね、その子がさー」

『……なぁ』

「ん?なにー?」

『いつまでそうやって作り笑いしてんの?』

「え……?
……作り笑いって何ー?
そんなのしてないよ?」

『ばーか。
俺がわからないわけないだろ?
俺と話す時ぐらい、強がんなくていいから』

「え、な、なんで…。
べ、別に強がってないよ?
いつも通りじゃん!」

『泣かないように話してるのバレバレ。
いつも頑張ってるの知ってるから、肩の力抜いていいから、な?』

「…ばかぁ………なんでそんなに優しいの……ずるいよ…。
久しぶりの電話だから、心配かけちゃいけないと思ってたのに……」

『その気持ちは嬉しいよ。
………そりゃ、お前には笑っててほしいけどさ、無理に笑っていてほしくはないよ。
だから、こういう時ぐらい甘えろよ』

「うぅぅ……ありがとー………」

『よしよし……ほんとごめんな…?
次の休みになったらすぐ帰るから』

「うん………待ってる……」

『おう。
会ったら、そん時にたくさん泣いていいから、その分たくさん笑顔を見せてくれよ』

「うん!」

『ははっ、急に元気になったな』


 “ピンポーン”
 “おーい、ーー!迎えきたぞ!”


『あ、やべ、先輩だ!
今行きます!!!
悪い、これからサークルで研究会なんだよ…』

「え、そうだったの!?
ごめんね、そんな忙しい時に……」

『心配しなくてもいいよ、出たのは俺だしさ。
それに、お前の声聞きたかった』


 ”早くしないと置いてくぞ!“


『っと、流石にやばいかな。
んじゃ、そろそろ行くわ』

「うん、行ってらっしゃい、頑張ってね」

『おう、じゃあな…………大好きだぜ』

「っ!!!!
ば、ばかっ!!」

『はははっ、んじゃまたな!』


プツ……プープープープー


「 行ってらっしゃい
  頑張ってね
  大好きだよ
と、送信……」


久しぶりの電話。


無理して笑ってるわけじゃないんだけどな〜。
確かに、沈んではいるけど……。
あなたの声聞くと、自然に笑顔になるんだよ。


でも、気付いてくれて嬉しかった。


あなたとだったら、距離があっても大丈夫。
たくさん力をもらって、頑張っていけるよ。



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