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Original Story -short-
幸せ



「なぁ、幸せってなんだと思う?」

「なんだよ急に」

「いいから」

「んー…………金持ちになる、とか?」

「ありきたりだなー」

「うっせ。
じゃあ、お前はどうなんだよ?」

「俺は………平凡な、平和な生活」

「なんだよそれ。
もっと夢見ようぜー?」

「夢、ねぇ。
まあ確かに、お前の言う、金持ちになるっていうのも、幸せの1つだよな〜。
経済力とか、権力とか、人によってはそれが幸せだろうな」

「だろ?」

「あぁ。
じゃあここで、お前に質問です」

「何?」

「経済力も権力もあり、自分の好きなことはなんでもできるけど、自分の好きな人とは結婚できず政略結婚をさせられるのと、苦労はするけど自分の好きな人と結婚できるの、どっちがいい?」

「うぇー………なんだよその質問……」

「仮定の話だ。
ちなみに俺は後者」

「なんで?」

「自分の思い通りにいく生活なんてつまらないだろ?
それに、結婚するなら好きなやつとがいい。
あと…………」

「………?なんだよ?」

「もしそんな所に生まれてたら、俺はここでお前とこんな馬鹿な話はできなかった」

「……………確かにな。
じゃあ、俺も後者だなー。
変に自由で窮屈な人生よりも、自分の可能性を広げられて、馬鹿話ができる方がいいや」

「金持ちになるって、言ったくせに」

「うっせ。
お前の話聞いて、変わったんだよ!」

「あっそ……ま、いいけど。
じゃあ、意見が一致したところで………」

「……………?」

「お前、俺と付き合わねぇ?」

「…………………………………は?」

「間、開きすぎだろ」

「い、いや、開くだろ普通に!!!
普通に『今日遊ばね?』みたいなノリで言ってきやがって!!
だ、だいたい、なんで俺なんだよ!!
俺達は友達だろ!?」

「お前さー…………もうちょっとっていう自覚を持てよ……」

「い、いいんだよ俺は!!
これが俺なの!!」

「はぁ…………まあ、いいけど。
んで、返事は?」

「〜〜〜〜〜〜っ!」

「ん?」

「……………………よろしくお願いします……」

「ん、お願いされました」



幸せなんて、人それぞれだ。
これが幸せで、そうじゃないことは不幸せなんて、押し付けるものじゃない。

一見、幸せそうじゃなくたって、幸せに生きている人なんて、たくさんいる。

好きな人と話せて、好きな人を守れて、そして一生笑顔にすることができれば、それが俺の幸せ。



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