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Wonderful Wonder World
その意味は…(グレイ,ナイトメア)

※注意※
こちらの話は、グレイとナイトメア(両者ミラアリ)のみの登場です。
グレイが駅で働き始めてからの話となります。
BL的な話ではないとは思いますが、苦手な方はお控えください。
よろしい方は、このままお進みください。























…………………………………


「おいクソガキ!!
これ早く食って、ちゃんと薬飲んで、さっさと寝ろ!」

「いーやーだ!!
こんな色がおかしいもの、誰が食べるかっ!!
だいたいグレイ!!
上司に向かってクソガキはおかしいんじゃないのか!!」

「色はおかしいかもしれんが、味は不味くないはずだ!
それに、栄養がたくさん入ってんだ!
しっかり食え!!」

「おい流すなグレイ!!」

「あぁ!?
病人に上司も部下もあるか!!
お前は今は、単なる病人のクソガキだ!
上司だと思ってほしかったら、ちゃんと薬飲んで寝て、仕事をしろ仕事を!!
お前が視察の後にやるって言った仕事が、山ほどあるんだ!」









これはある日常のこと。



駅長であるナイトメアが、駅構内にある店の視察に行くと言ったため、俺と2人の護衛を引き連れ、視察に出た。

最初の内は体調もよかったのだが、途中から悪くなり急いで部屋に連れ帰った。


原因としては、人の波に酔ったのである。

多くの人がいたからというのもあるだろうが、どちらかと言いうと、多くの人からの「思考」の波だ。

駅構内で働く人間は、比較的ナイトメアを良く思っている。
だからあいつが視察で歩いていれば、商品を薦めてきたりする。

だが、そこに買い物に行っている人間は別だ。
駅の中枢なためナイトメアがいるのは当たり前で、声を上げて文句を言う人間はいない。
しかし頭の中には、文句や恐怖、敵意、嫌悪、などいろいろな物が思い浮かべられる。

それをナイトメアは読んでしまう。
読みたくなくても、入ってきてしまう。

文句自体は、気にしない。
気にしたって無駄だからだ。
しかし入ってくる思考の量は、半端な量ではないだろう。


その膨大な思考の量で酔ってしまったのだ。


酔って気分が悪くなった時点で、視察は中止。
今は早く調子がよくなるように、飯を食わせている。


(色は確かに悪いが、おかしなもんじゃねーはずだ……。
体に良いっつーもんも入れたし……)


食事は俺が作った。
紫のような黒のような色をしているが、入れているものは全て体にいい。
食べなければ調子は良くならないが、こいつはわがままな夢魔だ。


(夢に逃げ込まれでもしたら面倒だし、食べさせんのは諦めるか……)


夢魔の面倒なところだ。
夢に逃げ込まれてしまったら、俺達はどうしようもない。

余所者が来てからは、そういったことも減ったようだが……。


「じゃあ、薬だけでもちゃんと飲め。
食わねえ飲まねえは許さねえぞ」

「く、薬!?
嫌だ!!!そんなものは飲まない!!」

「そんなこと言ってたら、ちっとも良くならねえだろうが!」

「し、しかし………げほげほっ、ごほ」

「っ!………ちっ!
もういいから、今着てる服着替えてさっさと寝ろ。
夢に引きこもるんじゃねえぞ?
着替え持ってくるから、脱いでろ」


今のナイトメアと口論をしても、余計に体調を悪化させるだけだと思い、薬も諦める。
もう少し弱っている時であれば、無理やりに飲ませられるが……。

考えつつ、ナイトメアの寝間着を取り出す。
駅長だけあっていい生地を使っているが、どちらかというと偉く見せたいのだろう。



寝間着と一緒に蒸しタオルを持って行き、ナイトメアの体を拭く。

いつも思うのが、こいつの背中はとても小さい。
男にしては肌はとても白いし、筋肉だってたくさんあるわけではない。

この背中にどれほど多くの責任を背負っているのか。
補佐になる前から面倒を見て、補佐になってから常に近くにいるが、全てはわからない。

正直、すごいことだと思う。


(調子に乗るから、言わねえけどな)





「ったく、これくらい自分でやれよ」

「私は何も言っていないぞ。
勝手に拭いているのはグレイの方だろう」

「………………」


確かにその通りなので、何も言えない。
いつの間に、こんなに世話焼きになってしまったのか……。



「……………この姿を、あの余所者に見せてやりないな」

「な、ななな、何を言っているんだ、グレイ!?
こここ、こんな姿、彼女に見せられるわけないだろう!!」


少し冗談で言ってみただけなのだが……。
顔を真っ赤にして、まだまだ子供だ。




(そういや、余所者と言えば……)


以前彼女に、面白い本がないかと聞き、教えてもらった。
彼女はいろいろなジャンルの本を読んでおり、どの本も楽しめた。
その中のある一冊に、キスを使った表現があった。
少し興味を持ったため調べてみると、キスをする位置によって意味が違うようであった。


(たしか尊敬は………)


「おい、ナイトメア」

「な、なんだ!?」


まだ余所者について考えていたらしい。
顔が赤いままだ。


「足出せ」

「あ、足!?
な、なんでだ?」

「足も拭く。
どうせそのままじゃ風呂にだって入れねえだろ?
時間が経てば綺麗になるとはいえ、気持ち悪いだろ」

「た、確かにそうだが……」

「わかったらさっさと出せ」

「うぐぐ………なぜだか、お前の方が偉そうだ……」


渋々だが、ナイトメアが出した足を丁寧に拭いていく。


(こんなもんか)


自分的に満足をして、ナイトメアの足を持ったまま自分の体を曲げ…………。
















チュッ












ナイトメアの爪先にキスをした。



顔を上げた先には、当然の如くナイトメアが驚いた顔をしていた。


(驚いたっつうか、俺が何を考えてるのか分かんねえ、ってところか)


「な、な、ななな、なな何をしたんだ!?
ぐぐ、ぐれ、グレイ!?」

「あぁ?
大人だ、偉い、とか言う割にわかんねえのか?
爪先にキスしただけだろ」

「だだだ、だから、なんで、爪先に、き、キスなんかっ!
わわ、私は女じゃないぞ!?」

「そんなことわかってる!」

「じゃ、じゃあ、なぜ!
はっ!!!まさか、グレイお前!!」

「言っておくが、男好きってわけでもねえからな。
お前がいつも言ってんだろ、クソガキ。
『尊敬しろ、敬え。私は偉いんだ。』って」

「だ、だからって、どうして、き、キキ、キスに繋がるんだ!!」


(まあ、知らないのも当然か。
でも、ただ教えるのはつまんねえな)


「……ちゃんと仕事をするって約束をしたら、教えてやってもいいぜ?
ナイトメア『様』?」



(気になって、仕事どころではないとは思うけどな)


この小さな背中に着いて行こう。
そして、守ろう。
それが俺の仕事。

そして………………………。









お前への、敬意を表そう




























……………………………………………………

ここまで読んでいただき、ありがとうございましたっ!

グレイとナイトメア、難しいですっ!!!
途中から、キャラが迷子になりました……。
こんなのグレイとナイトメアじゃないと思う方もいると思います、申し訳ありません……。

とりあえず、楽しんでいただけたら、嬉しいです(*´ω`*)


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