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創作(短編・中編)
誰も知らない遺言
 どんなに好きでもどんなにどんなに好きでも絶対にあなたには言わない。

 最初はただの幼なじみだったよね。近所からは、
「いつも一緒にいて仲が良いのね」と言われる普通の幼なじみ。いつからだろうね、私の気持ちが別の『好き』になったのは。
 そうだ、あのときだ。
 あのとき私は男の子達にいじめられたんだ。逃げていて近くの茂み隠れたけど、気がついたら夜になっていた。怖くて心細くなって泣いてたとき、雨の中探してきてくれたんだった。私を傘も刺さずにすぶ濡れになって探しにきてくれた。
 あれからもう何年目なんだろう。私、あの頃から好きだったんだよ。
 その数年後、あなたが私を好きなんだって分かった。だって分かりやすいんだもん。私のことで核心を突かれるとすぐに赤くなるし、ムキになるし。
 私もそのときに言ってしまえばよかった。ううん、今も本当は言って抱きつきたい。
 でも言わない。私はもう天国に行ってしまうから。人の痛みを誰よりも分かってあげられる優しいあなたのことだから、言ってしまったらあなたをその言葉で一生縛りかねないもの。
 私が向こうに行ったらあなたは絶対に幸せになって?
遠くからずっとみているから。

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あきゅろす。
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