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創作(短編・中編)
8 ★
 視界が開けて目の前に広がったのは倒れた人の山。

 鼻を刺す臭いは地面に這ってる人の上にかかった赤い赤い血。腕や足がもげて人と辛うじて判断できる者もあれば、首がとんだ人もいる。
 喉までで止まってしまった叫び声。食べたものをもどしてしまいそうになる残酷な景色。こんな中に彼はいるのか。

「タ、カ…」
 頑張って声を絞りだした。足が震える。歩ける自信がない。
 でも見つけなきゃ、見つけなきゃいけない。
「タカ」
 そう呼んだとき人の山の麓が微かに動いた気がした。
 足を無理矢理動かして駆け寄った。
 手が動いている。顔が見える。
「タカ!」
「…み、こ…ま」
「今出してあげるから、待ってて」
 人の山の中に埋もれていた彼は月光で血にまみれているのが分かった。瞳の光は辛うじて灯っている。本当に危ない。
「すぐ出すから。すぐに出してあげるから」
 頑張って頑張って力を入れて引っ張ってもびくともしない。どうすればいい、どうすれば助けられるの?

「も、…いい」
「良いわけないじゃない!絶対に死なせない」
 光がなくなってく。目を閉じていく。
「お願い、お願いだから目を開けて!」

 私を一人にしないで!!

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あきゅろす。
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