創作(短編・中編)
5
朝から変な夢を見た気がする。正直よく覚えてない。
非現実的すぎて私の脳みそがついていかないのか、きっとそうに違いない。
電車の中から見える景色は変わらず、目の前にいる男も変わらず寝てる。
何度一緒になればいいのか。
どことなく見覚えのある口の形とかいつもと変わらない服装とかどうでもいいことを少し気にしている私がアホらしくなる。
もういいや、本読もう。テスト近いから。
でも、鞄の中に入ってるのはテストのない教科の本しかなかった。
寝ようにもあと一駅。
とにかくひたすら時間が経つのを待つしかないみたい。
授業中の生徒がグンと増えた。大抵テスト前だからって来た奴がほとんどだろうけど。
ほら、今日だって来た。
「お願い、ノート貸してくれない?」
「いいよ」
私も本当に良い奴だ、そう思う。
それにしても、今日の夢はなんだったんだろう。妙に現実的だった気がするけど、あまり覚えていない。そんな覚えていないことまで思い出さなくて良いじゃんか、たかが夢なのに。
授業は一番好きな刑法の授業なのに全く集中できてない自分がいた。夢に踊らされすぎだ。
今日こそは変な夢は見ませんように。
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