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非王道は趣味じゃない
何て言うか素敵美人さん
その後少しもしないで守衛さんを連れた真崎先輩が戻ってきた。
守衛さんは普通のいい人そうなおじさんで、腐男子的にはちょっと残念。
だけど、初っぱなから風紀委員の絡みを見れた俺はもう萌えすぎて禿げそうです。

「鈴野くんは、高等部からの入学ですよね?」
「あ、はい!」
頭の中で妄想を繰り広げている最中に真崎さんに声をかけられ、思わず声が裏返った。
真崎さんがクスッと笑ったから恥ずかしくなって俯く。
何だかキャラじゃないとは思うが、仕方ないだろう。
寧ろ真崎先輩の前でいつものテンションを貫き通せる人が居たら見てみたい。
真崎さん聖母だから。心洗われるから。

「この学校の仕組みについて説明しておきますね。少し特殊なので。」
微笑んでそう言った真崎先輩に対して、十崎先輩は面倒くさいという様子を隠そうともしない。
唯一真崎先輩の前でもいつも通りな十崎先輩…って何それ萌える。
「生活してりゃ、嫌でも分かるだろうが。」
「だって、説明しろって副会長が脅し……違う、副会長が言ってたし。」
十崎先輩が半ば呆れたように溜め息をつく。
「…お前は脅されてびびるようなたまじゃねぇだろ。大体、生徒会は無駄に細かいんだよ。やったって言っとけ。」
「あのぉ…、ここに新入生本人が居るんですけどー…?」
また空気になりそうな予感がしたから口を挟んでみたり。
というか十崎先輩の今の言動は生徒会と風紀委員は険悪だということで受け取っても良いのだろうか。
ついでに副会長は腹黒ということで良いのだろうか。
ああどうしよう禿げる。

「…じゃあ、ひとつだけ。この学校は隔離された男子校という特性上、…その、同性愛…が普通になっています。」
「それで親衛隊とかあって、やたらイケメンと近付くと制裁とか受けるんですよねっ!!」
キラキラした顔でずいっと体を乗り出す。
しまった、と思った時には口に出ていて、後悔した。
腐男子は隠していこうと思ってたのに…。

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