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俺様何様貴様様
13
「あー、体育館見えてきた、ゆき」
「紗っ揺ー!」
「あ?」

もうすぐパレードの執着地点。
ああ、終わると思ったと同時に後ろから元気に声が響いてきた。
笑顔でダッシュしてくるのはラキアと、鴇。

「……あー……くそ」
「どした?」
「オツトメ、だ」

オツトメと言って、紗揺は列から外れる。
そのまま、宮様ズは猛ダッシュでパレードの先頭へ。

「サユって変なとこまじめだよなー。いやいや言いながらもしっかりやってるし……ゆき」

ほえーと見送りながらクラスメイトにつつかれて、白雪はまた笑顔を向ける。
パレード終わりの体育館。
その、体育館前にはなにやら舞台のようなものがあり、宮様たちはそこに、いた。

「恒例のパレードは終了! 文化祭楽しんでいってねー!」
「ほどほどに、な……」
「はしゃぎすぎてけがしないようにね」

一言ずつ宮様から言葉があれば、そこにいたものたちは歓声で返す。
そして、ここからいろんな意味でいろんな人の暴走が始まった。

「じゃ、これから僕、愛しの淳のパンツ盗ってくるから! そして淳のハートもうはははは!!」

ウィンクばちこん! と音がしそうなほど嬉しそうにして、ラキアは舞台から飛び降りどこかへ消えていく。
止める間もなく残された、紗揺と鴇は固まった。

「……おい」
「僕にどうにかしろって?」

おしつけるなよ、と鴇は笑顔を向ける。

「ふふ、月は自分の欲望につっぱしってもう帰ってこなさそうだから、僕も好きにしちゃおうかな。じゃあ、そうゆうことで!」
「おまっ!」

言いたいことを言って、鴇も舞台から飛び降りどこかへ走っていく。
残ったのは紗揺、一人。

「……あー……もう、くそ……」

じぃっと視線が集まる。
とても、居づらくなる。

「俺も逃げる」

ぼそりと呟き、紗揺も舞台から走る。
それを見て、誰かが呟いたのが始まり。

「宮様捕まえたらいいことおきそうじゃないか?」

そこから始まって、宮様を捕獲するとお願いをひとつきいてもらえるという話に、一斉に変わる。

文化祭初日、宮様捕獲ゲームの始まりだった。

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あきゅろす。
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