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俺様何様貴様様
9
「すげー………………ゆき」

さっきも美人だとは思ったが、また違う。
気合いの入り方が。
アラビアンナイトにでてくる女性のような格好で、きらきらと肌が光る。

「カッケー………………ゆき」
「白峰、無理しなくていいぞ」
「女盗賊ってゆーのな、すげー、なにもうすげー!」

ラキアは何か指示しつつ後ろへと向かう。
白雪と目が合うと、華やかに、幸せそうに笑い、誰もがその笑みに見入った。

「白雪、ま、淳がまじで照れてかわいかった、ありがとう!」
「よかったっす」
「……白雪もかわいーね。あ、ここにサユいれてやって、それで帽子を絶対被らせて」
「? 了解」
「じゃ、またな! そこ列みだすなー」

と、また仕事に戻るラキアを見送る。
くるりとクラスメイトを振り返ればなんだかぱくぱく口をしていた。

「どしたゆき?」
「みみみ、宮様と、一緒……!」
「らしいゆき」

どーする、と騒ぐクラスメイトをよそにまた前方がどよめく。
そこには新撰組コスの鴇がいた。
服装がかわっても、鴇の笑みは変わらない。
一つ一つ、挨拶を返していく。

「こんにちは!」
「こんにちは、また……かわいいね」
「自分でもこんなに似合うと思ってなかったからびっくりゆき」
「……語尾は?」
「キャラ作りゆきー」
「なるほど……じゃあね」

軽く話して鴇は列の後ろへ進んでゆく。
ざわざわと声が移動していくのでわかる。

「サユまだかなーゆき」

そう言っているうちにざわめき。
ざわめけば宮様。
それを白雪は学習していた。

「きた! ゆき!」

不機嫌マックスの紗揺が、いた。
真っ黒な軍服を着崩して。
不機嫌さが威圧になってさらに雰囲気をだす。

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あきゅろす。
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