俺様何様貴様様 幼馴染よ久し振り1 夏休みです。 全寮制の学園から一時帰ってまいりました、なのは本宮淳(もとみや・まこと)。 帰ってきたら、まずお隣さんに上がりこむのがお決まり。 自宅に荷物を置いたら、いてもいなくてもかまわない、お隣さんへレッツゴー。 暑い、とかぶっていた帽子をとって髪をかきあげる。少し垂れた眼尻が表情を柔らかそうに見せるが、内面はとっても、はっちゃけさん。 気を許すものには、だが。 そのはっちゃけさんは家に勝手に上がりこみ、勝手に部屋へと向かう。 淳は白峰白雪(しらみね・しらゆき)という女の子でしょうその名前、と思うような幼馴染さんの部屋の扉を勢いよく開けた。 「ゆきいいいいい」 「ぎゃああああ!!! えっちすけべお着替え中!」 まだ起きたばっかりで今着替えてるんですよ、と頭ぼっさぼさ状態の白雪は驚いて叫ぶが、後半はおふざけ満載。 「男同士だから」 「そだね」 ずばっと突っ込みはたんたんと。 すぐに笑いながらばしばしたたき合って久し振りのスキンシップ。 そんなのが当たり前の二人はハイハイの頃からの仲良しだった。 「おかえり、土産は」 「ねぇ。てか何、話があるって昨日のメールなんだあれ、なんかやばいことあるのかとおもって今日急いだぞ」 「あー……うちの父母が海外赴任になりまして」 しゃべりながら、二人は座る。 淳はどっかり胡坐をかいて。そして白雪はなぜか。 「うん、なんで三つ指ついてんの」 「いや気分こんな感じだからね!」 かしこまって淳も正座に座りなおす。 「お前の学校にぶち込まれることになった」 「ぶはっ」 「で、俺はお前に聞きたいことがある」 と、さらに神妙な表情。 淳もごくり、と息をのむ。 「お前の学校はホモの学校か」 「うん」 「……お前もか」 「俺は女の子が好き。けど別に男でもいいや」 白雪は、固まる。 固まって、微妙に少しずつ後ろに後退。 とても器用に。 「なんで逃げんの、別に手ださないって、むしろ今まで幼馴染なお前に手を出す俺がありえない」 「いやあああ!! 淳君に掘られちゃううううう!!! ぎゃああああ!!! 俺が汚れちゃうううう!!」 「しねえっての!」 「うそっ! そのお目目は俺を狙ったお目目に違いない! 違いない! ギラギラしてるもの!」 「んなにいうなら襲ってやらあああ!!!」 この後プロレスごっこに発展。 しばらくお待ちください。 [次へ] [戻る] |