短文 カクしコト (Kショル) 今回は報酬が良かった。 絶好のポイントもあった。 おかしいとは思ったが… ショルキーに、この金で奢ってやろうと思ってたのに、このザマだ。 …やべぇ、意識が朦朧としてきた… 止血が甘かったか…? あいつ、驚くだろうな、コレ、知ったら… 「…K、KK!!」 「ん…ショル、キー…?」 「良かった…意識が戻って…」 ショルキーはホッとした様子だった。 「俺、どうした?」 「どうしたも、こうしたも…俺ん家のマンションの前で倒れてたよ。」 「で?」 「俺が病院まで運んできたら、医者が『すぐに手術だ!!』って、手術して、今に至るけど?」 「そうか…」 俺ってば、無意識にショルキーん家に行ってたんだ… 習慣って、恐ろしい… 「そういえば、これ、太ももに入ってたって…」 ショルキーの手には、5cm程の弾が乗っていた。 「…どういうことだよ。ただの掃除屋がなんで撃たれなきゃならないんだ。出勤時間はおかしいし…何を隠してるんだよ?」 珍しくショルキーの口調がきつい。 しかし、本当のことを知られたくなかった。 知られるくらいなら、縁を切った方がマシだ。 「…るせぇよ。」 「えっ?」 「うるせぇよ。俺が何をしようと、お前には関係のない話だろ!!!」 ショルキーの眼が、変わった。 KKには、はっきりと分かった。 『今、自分はショルキーを傷付けた。』 なおも、KKは話し続けた。 「俺は、ただの掃除屋じゃない。だから、撃たれたんだよ。俺は、殺し屋だ。」 「殺し、屋?…何で、…何で今まで隠して…」 「…」 「…い、言いにくいならいいよ、言わなくても。何となく分かる気もするし…」 「…分かんのかよ。っ、笑わせんな、分かる訳ねぇだろ!!!」 荒々しいKKの声が病室に響いた。 数分の沈黙―――。 「…ごめん…、言い過ぎた。」 「いや、俺が悪いんだ。軽々しいこと言っちゃって…も、もう行かないと。じゃあ、KK。」 ショルキーは病室から出て行った。 哀しい眼に、溢れんばかりの泪を溜めながら、一生懸命な笑顔で… 「まただ…」 KKはベッドに身を沈めた。 あれ以来、ショルキーとは1度も会っていない。 テレビの中では、偽りのない笑顔で笑うショルキーが映し出されている。 心が苦しい。 ココロが痛い。 「何やってんだ、俺。」 瞼を閉じると、ショルキーの哀しい笑顔が蘇ってくる。 自分は何が言いたかったのか、何がしたかったのか… 終焉 ―アトガキ― 最後の一文をそのままそっくり、過去の自分に贈りたいw 前の自分のショルさんは、結構優しい、弱めな人だったらしい。 いつ、あんなキーボード投げ飛ばすような凶暴な子になったのかしらwww 昔の話を見ても、今の話を見ても、 自分、成長してないですね… ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 [*前へ][次へ#] [戻る] |