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番号は暗記済み


★3
番号は暗記済み









「あ、しまった」

待ち合わせ。望美たちと約束していたのに、

「携帯忘れた。」

同行しているのは、携帯を不自由なく扱える譲でもヒノエでもなく。


弁慶とリズヴァーン。


そもそもどういう経緯でこんな組み合わせになったのかすら定かではない。

しかし将臣にとって今は、メンバーの組み合わせよりも、このメンバーの誰ひとりとして携帯を持っていないと言う事実が気を重くさせた。


「弱ったな」

「望美さんの携帯の番号ですか?」

「あぁ。…まずったな。これなら待ち合わせの場所だけでも決めときゃよかったぜ」

「決めないで来たのか」


リズヴァーンの言葉には、責めるというより驚嘆の色が浮かんでいる。

「あぁ。近くまで来たら電話するって言ってあったんだ」


「仕方ありませんね…ほかの方に電話を借りることは?」

「や、電話ならそこに公衆電話があるけど…俺、あいつの番号覚えてねぇぞ?」


「大丈夫です」


ふふ、と弁慶は自信あり気な笑みを閃かせた。

「望美さんの携帯電話の番号なら、暗記していますから」



***



「…合ってたし」

半信半疑だった将臣は、公衆電話での通話を終えて、愕然としたように呟いた。

弁慶がさらりと告げた番号に将臣が代表して電話をかけたところ、見事に望美の携帯へと繋がったのだった。


携帯を忘れた旨を告げ、今度はきちんと待ち合わせの場所と時間を正確に決めてある。


「なんでこんなモン覚えたんだ?」

将臣が問うと、弁慶は謎めいた笑みを浮かべる。

「いつでも望美さんと連絡がとれるように、ですよ。僕らはこちらの世界に慣れていませんから、連絡手段の把握くらいはしておかないと」

「いつの間に」


因みに、二人が番号の記憶に関して言い合っている間は、リズヴァーンは賢明にも沈黙を貫いていた。

鬼の力を使って場所移動が出来るリズヴァーンにとっては、道に迷っても構わないのだ。


…仮に迷ったとしても、誰かに助けなど求めないだろうが…。



「それに、僕が記憶しているのは携帯の番号だけじゃありませんよ。」
「は?なにを覚えてるってんだよ」


「まぁ…望美さんの銀行の口座番号とか」

「なっ」

「家に入る暗唱番号とか」

「ばっ」

「望美さんのあんなとこやこんなとこのサイズとか」

「そこまで行ったら犯罪だろ!!!」


突っ込む将臣は、自分すら知ったの最近なのに!とは…流石に言わなかったが。


弁慶の微笑に見えたのが、黒いものか後光だったのか。


「いやだなぁ、探求心といってください」





将臣に、その判断は出来なかった…。





END








おバカな会話でスイマセン(^_^;)

朱雀組は神子さまのことならちゃっかりチェックしてそうですね。
ヒノエは携帯使えるらしいので、弁慶さんにしてみました☆
迷宮未プレイのため、設定と違ったらご容赦くださいましっ。


2008.03.28

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