君届の扉
1
「は―――…緊張するなぁ…」
綺羅は部屋の真ん中で深呼吸していた。
「今日から新しい学校…この学校には確か龍とちづがいたはず…ようしっ」
すくっと立ってガッツポーズ。
「頑張るぞっ!前の学校みたいに友達いっぱい作るんだ!!早く龍とちづに会いたいし、学校いこっ!」
綺羅は新しい制服に身を包んで家を出た。
「歌いながらいこっ!その方が緊張ほぐれるしっ!」
綺羅は歌うのが大好きで、歌い手として有名なんですよ。 by作者。
「何歌お――…"インタビュア"あたりかな?
掛け替えのない命だと
流行の歌は言うけれど
誰かが僕と代わってても
誰も困りはしない
変わりばえのない日々に
借り物の僕ら椅子を探してる
何にもなれはしないまま
心臓は止まってく
かさぶたになった傷を
引っ張り出してまた掻き毟って
滲んで来た二度目の言葉
悲しい歌が聞きたくて
好きな音楽は何ですか
好きな食べ物は何ですか
君の好きな人は誰ですか
別にそれが
僕じゃなくていいけど…っとあれ?」
区切りのいいとこで分かれ道に差し掛かってしまった。
「うにゃー…どうしよー…どっちー?」
爽「あの…」
「にょわっ!!って…え…?」
いきなり声を掛けられて振り返ってみると、綺羅と同じ北幌高校の制服の女の子。
「(わぁ…!きれーな子ー…)」
爽「(わぁ…!きれーな子…!可愛い!)」
そう、その女の子こそみんなに恐れられている黒沼爽子、通称貞子。
爽「お…おはよー…(ドキドキ」
「あぁ、おはよっ!(ニコッ」
爽「(こんな私にもあいさつを…っ優しい!!いい人!!)」
感動している爽子。
綺羅は綺麗な子と知り合えたと嬉しそう。
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