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学園の扉
10


びたんっ


蜜「あうっ」


岬鳴「「あ」」


蛍が近寄ってくる蜜柑の顔を叩く。


そして蜜柑に言う。


蛍「汚い顔して寄らないで」


蜜「ホタ…」


泣く蜜柑。


蛍、蛍は蜜柑の笑顔が大好きだもんね。僕も、皆も蜜柑の笑顔が好きだ。


蛍「綺羅はちゃんと笑ってるわ。あたしの知ってる蜜柑はもっと可愛かったハズ…」


そこでやっと蜜柑は蛍の言葉を思い出す。


蜜「あ…」


蜜柑は涙を拭くと、また目にいっぱい涙をためる。


それでもこらえて、頬を抓って笑った。


蜜「蛍…これやったらいい?

…ウチら蛍にすごくすごく会いたくて…ここまで来てもうてん」


蜜柑は心の中で思い出す。


蜜「(…忘れてた。ウチは蛍にどんな時でも笑顔をみせれる人間になるって決めたんやった)」


蜜柑は蛍に思いを一生懸命伝える。


綺羅はそれをしっかり見ていた。


蜜柑はそういうのわかるもんね。泣いてて全然笑顔になってないけど、頑張ってるの見えるから。


蜜柑はきっとこう思っているんだろう。


蛍みたく


強い人間に


蜜「蛍…だきついていい…?」


蜜柑の言葉に蛍はため息をつきながら言う。


蛍「…友達に会いたいからってだけで後先考えずこんな所に来るバカ共そういないわね…」


そんな蛍の言葉に蜜柑はまた泣きそうになる。


蛍なりの喜びだということは一目瞭然だった。いや、僕が知っているからかもしれないが…


そんな蜜柑とは裏腹に蛍はうっすら笑みを浮かべて言った。


蛍「びっくりした…おいで≪バカ共≫」


蜜「「ほ…蛍―――っっ!!vV」」


思いっきり蛍に僕と蜜柑は抱きついた。


やっぱり、そう言ってもらえると嬉しくて、今までの思いが全部はちきれたように僕も泣いてしまった。








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あきゅろす。
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