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純情乙女




ふふふっん!


今日は、バイトだ!


今日は来るかなぁ…


頭の中は、土方さんでいっぱい。


でも、ちゃんと仕事もしてますよ!


ジョッキも6コ、運べるようになったし、天性の愛想よさで、接客もバッチリ!


おじさんたちのハートを鷲掴み――なんてねw


「いらっしゃいませーっ」

誰かの声につられて、あたしも

『いらっしゃいませ』


ドアの方を見ると…


真選不動産、御一行だぁ!


…と、思いきや、入って来たのは、総悟と、山崎って呼ばれていた人達だけだった…


……な〜んだ


あっ、でも土方情報ゲットの、チャンスじゃん!


『いらっしゃいませ。お飲みものは、お決まりですか?』


あたしは、愛想よく、おしぼりを渡した。


そして、総悟って人と、目が合った時…


「土方さんなら、後から来やすぜィ」


と、言った…


何?!この人!
何でバレてんの?!


そして、口角を上げて
黒い笑みで


「土方なんかより、俺にしときなせェ」

と、言った。


何?そこまでバレてる?!


たった一回、接客しただけなのに!

それに、その自信は、どっから出てくるんだ!


まぁ、確かに、可愛い系で、カッコイイけど…


『…はい?』


あたしは、愛想笑いで、とぼけてみた。


「まぁ、いいでさァ。これから、楽しくなりそうでェ」


さらに、笑みが黒くなった。


…コイツ、侮れない!


「じゃあ、生2つで。」


山崎って人が、あたし達の会話を遮るように言った。


『はい。生2つですね。かしこまりました』


逃げる様に、テーブルから離れ、ビールを継ぎに向かった。


「お〜い、花音。いちご牛乳、おかわり。」


あたしの前に、グラスが出された。


その腕をたどって、主を見ると、
なんと、銀髪!
ふわふわヘアーの男が、一人座っていた。


『いちご牛乳ですか?』


そんなもん、あったっけ…?

あたしが、不思議そうな顔をしていると、


「俺、専用にあるから。よろしく。花音」


そう言って、あたしのネームプレートを指差した。


…それで、名前がわかったのか…


『あっ、そうなんですか。スイマセン。直ぐに、お持ちしますね』


っつーか、居酒屋で、いちご牛乳って、どぉーよっ?!


と、思いながらも、店長に、いちご牛乳のありかを尋ねた。


どうやら、あの銀髪も、常連らしく、近所でパーマやさんを、やってるそうだ。

晩御飯がてらに、ここを利用しているらしい。


パーマ屋…
だから、銀髪なのかぁ?


あたしは、片手に、いちご牛乳、もう片手にジョッキ2つを持って、テーブルに向かった。





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