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純情乙女




はぁ…
今日は、バイトが休み。


土方さんに会えないや…


桜から得た情報によると、


あのグループは、真選不動産の方々で、週に3回は来るという事。

会社がバイト先の近くにある事(バイト帰りに確認済み)

各自、独特の個性がある事…これは、まだ未確認だけど、あのクールな土方さんに、どんな秘密があるのか、楽しみだ!


そんな妄想に、浸っていると、携帯が鳴った。


「おいっ、今、何してんだよ?」


男友達の蓮からだった。


『ん〜?妄想中。』


「ぶっ!何だよ、ソレッ!?何の妄想してたんだよ?」


『ある、男を落とす方法』


「ふ〜ん。また、花音に目を付けられた、可哀相な男がねぇ…。俺は、その男に同情するね」


『何よっ!その言い方っ!今回は、いつもと違うんだからっ!』


「何が違うの〜?どうせいつもみたいに、落ちたら、ポイッなんだろ〜?」


『……』


言い返せない。


その通りだ。


あたしが、今までしてきた恋愛は、好きになった相手が振り向いてくれると、冷めてしまう。


こんなの、恋愛なんて、いわないよね…


はたから見れば、次々男を変える、軽い女だ。


「何、急に黙ってんだよ?そんな事より、飯でも食いに行かね?」


そんな男の中でも蓮は、特別だった。


お互いの事を知りつくしているから、キツイ事でも、何でも言える。


『いいよ!蓮のおごりでねっ!』


「はぁ?ありえねぇ!
ったく…半分出せよな」



蓮は、あたしに、とても甘い


『そんじゃあ、迎えに来てねw』


「はいはい。10分後に行くから。」



あたしの望んだ言葉をくれる。


いつも、気が付いたら
助けてくれている。


スーパーマンみたいな男だ。


この関係を失いたくない。



だから蓮を
男として見ない。


恋に変われば


別れが来るから…





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