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純情乙女




『ちょっとー!桜!3番テーブルのお客さんって、常連さんなのー?』


一緒にバイトに入っていた、友達の桜に、興奮気味に聞いた。

桜は、あたしを、この居酒屋のバイトを紹介してくれた、高校の友達。
入学当初、目立っていた、あたし達は、違うクラスだったにも関わらず、仲良くなった。

それ以来、何をするのも一緒。


「あぁ、真選不動産の人達?みんな、カッコイイんだけど…」


桜は言いかけて、少し顔を歪めた。


『だけど?』


「一癖どころか、何癖もある人達だよぉ…」


何だよ!それっ?


あたしは、首を傾けた。


「まぁ、接客してたら、わかるよ」

桜は、面倒臭そうに答た。


『ところでさぁ、《トシ》って人の名前、知ってる?』


あたしは、目を輝かせて聞いた。


「…やっぱり、花音の好みだと思ったよ。
教えて欲しい?」


桜は、意地の悪い笑で、あたしの脇腹をコツいた。


『うん、うん!教えて!』


あたしは、待てを喰らった犬状態だ。


「土方十四郎って、ゆーんだよ。」


ふ〜ん。なんか、古風な
名前なんだぁ…


でも、なんか、ピッタリ。


「まっ、せいぜい、がんばって!」


桜は、興味なさ気に言った。


『なんか、興味なさ気だねぇ。桜が、あんな男前集団、ほっとくなんて。』


「花音に、言われたくないよっ!狙った男は、必ず落とすクセにっ」


あははは…

確かに、そうかも。


あたしが、目を付けて
落ちない男は
いない。


よ〜しっ!


待ってろ!土方!


絶対に、落としてヤルーッ!





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あきゅろす。
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