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純情乙女




「注文、いいかな?」


余韻に浸っていると、今度は、上司っぽいゴリラみたいな人に、声を掛けられた。


『はっ、はい。』

「お前ら、生でいいよな?じゃあ、生4つで」

『はい。生4つですね。少々、お待ち下さい』

「あれ?見掛けない顔だね。新人さん?」


ゴリラさんが、声を掛けてきた。

『はい。昨日入ったばかりです』

「そうなのぉ。可愛いねぇ。がんばってね」

『はい。ありがとうございます』


あたしは、カッコイイお兄さんを、チラ見しながら、ビールを注ぎに行った。


この店は、飲み物はオーダーを受けた人が作るシステムだった。


店長が見守る中、初めてジョッキにビールを注ぐ


量の加減が、わかんないよーっ!
出来た時には、最初に注いだビールの泡が消えていた…

涙目で店長を見つめると泡だけを出す方法を教えてくれた。


早く、早く
お兄さんに届けなきゃ!


ジョッキ4コ
初めて持ちまーす!


危なげに運ぶあたしを
心配そうに見ている店長及び店員のみなさん。

プレッシャーになるから
見ないでくださいっ!


何事もなく、無事にお兄さんの元へ…じゃなくて
3番テーブルに到着。


『お待たせしました。』


と、言ったものの
指がジョッキから抜けませーん!
みかねた、1番若い男の人が、ジョッキを持ってくれた。





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