純情乙女
4
「注文、いいかな?」
余韻に浸っていると、今度は、上司っぽいゴリラみたいな人に、声を掛けられた。
『はっ、はい。』
「お前ら、生でいいよな?じゃあ、生4つで」
『はい。生4つですね。少々、お待ち下さい』
「あれ?見掛けない顔だね。新人さん?」
ゴリラさんが、声を掛けてきた。
『はい。昨日入ったばかりです』
「そうなのぉ。可愛いねぇ。がんばってね」
『はい。ありがとうございます』
あたしは、カッコイイお兄さんを、チラ見しながら、ビールを注ぎに行った。
この店は、飲み物はオーダーを受けた人が作るシステムだった。
店長が見守る中、初めてジョッキにビールを注ぐ
量の加減が、わかんないよーっ!
出来た時には、最初に注いだビールの泡が消えていた…
涙目で店長を見つめると泡だけを出す方法を教えてくれた。
早く、早く
お兄さんに届けなきゃ!
ジョッキ4コ
初めて持ちまーす!
危なげに運ぶあたしを
心配そうに見ている店長及び店員のみなさん。
プレッシャーになるから
見ないでくださいっ!
何事もなく、無事にお兄さんの元へ…じゃなくて
3番テーブルに到着。
『お待たせしました。』
と、言ったものの
指がジョッキから抜けませーん!
みかねた、1番若い男の人が、ジョッキを持ってくれた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!