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純情乙女




『いらっしゃいませ〜っ!』



今日は、とっても気分がいい。



蓮との関係が、上辺だけのものじゃなくなったような気がする。



男と女の友情なんて、ないと思う。


蓮に彼女が出来たら、この関係は崩れるだろうし、


事実、あたしの心の中に土方さんが入ってきてから、蓮と疎遠になってしまった訳だし。



だけど、蓮とは、じじぃ、ばばぁになっても、今の関係を保っているような気がする。



「相変わらず、元気ですねィ。」



総悟が、店にやってきた。


総悟を無視して、後ろを伺う。



「無視してんじゃねぇ!」



チラッと、総悟を見て


『土方さんは?』


ニタッと総悟が笑って、



「教えやせん。」



『そう言うと思ってたよ。総悟…。ありがとねっ。』



「なんでィ。急に、しおらしくなって、気味悪ィ。」



総悟は自分を抱きしめるようにして、ブルブルと脅えるフリをした。



『ヒドッ!総悟ってさぁ、好きなコに意地悪するタイプでしょ?ガキッ!』



「ガキで結構。見た目だけ老けてる花音よりは、マシでさァ。」



『そ〜ご〜っ!』



総悟の首を締め、思い切り左右に振ってやった。



そんなやり取りを見ていた山崎さんが、



「二人は、付き合ってるんですかぁ?」



と、お門違いな発言をした。



『ばかなっ「そうですぜィ」



そう言って、総悟はあたしを引き寄せ、肩を抱いた。



『何すんの「ほぉ〜。そーゆー事かぁ?」



あたしが、否定して離れようとした時、


土方さんが、入って来た。



『ちっ、ちが「うらやましいですかィ?」



「バカ言えっ!ガキに興味ねぇよ。お前らガキ同士、お似合いだぜ。」



ウソッ…!?



何に驚いたかって?



言い終わった後、土方さんが、土方さんが…


ニカッと笑った。


ニカッとだよ?!


ガキ扱いとか、興味ないとか、お似合いとか


ホントなら、大きくヘコムとこなのに、


ニカッだよ。


ニカッ……



ポーッとしたまま焦点の合わないあたしに、総悟が突っ込んできた。



「酷い扱いされてんのに、何ニタニタしてんでィ?もしかして花音、ドMですかィ?」



『ドMでも、何でもイイ…』



もはや、総悟の声なんて入ってこない。


漫画で描いたら、きっとあたしの瞳は、ハートになっているだろう…



『ニカッと…ニカッと』



あたしは、呟きながら店の奥へ行った。



「何でィ。ありゃ…」





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