純情乙女
9
『……はぁーっ?!』
あたしは、驚きのあまり、スプーンを落とした。
「そんな大声だしたら、格好悪いじゃねーか!」
『あっ、スイマセン…』
あたしは、スプーンを拾い、パフェのグラスの中をほじっては、口に運び、ほじっては、口に運び…という行為を繰り返していた。
「動揺しすぎですぜィ。」
『どっ、動揺なんて…』
「それ、もう空っぽですぜィ。」
…ホントだ。
何もすくえてない、空のスプーンを口に運んでいたのか、あたしは…
『でもさぁ、あたしと総悟が結婚したら、土方さんと義妹になるんだよねぇw』
あはははー
と、笑うと
「じゃあ、結婚するかィ?」
と、黒い笑みで返された。
『有り得ないからっ!』
「そうですかィ?俺は、本気ですぜィ。」
『はいはい。パフェも空になったことだし、次は、何処に連れてってくれるの?』
「えっ?服を選んでくれねぇんですかィ?」
『あたし、そんな恋の応援できないよ。ってゆーか、あんな、人のいい近藤さんを足蹴に扱う女の服なんて、選びたくない!』
「そうかィ…。実は、俺もイヤだったんでィ。」
ニカッと笑って、伝票を手にした総悟が、
「じゃあ、今から遊園地に行きやすぜィ。」
と、言った…
遊園地?!
なんだか、嫌な予感がするなぁ…
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