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純情乙女




『あたし、新八君に、お姉さんの事、聞いてみよっか?』


キャラメルパフェをパクつきながら、あたしは総悟に聞いてみた。


「そうですねィ…」


総悟は、顔をしかめている。


『やっぱ、でしゃばり過ぎかな?』


「いやねぇ…実は、近藤さんの一方的な片思いで、あちらさんは、迷惑がってるんでさぁ。」


『はぁーっ?!』


「近藤さんが、キャバクラに行ってるって事ぁ、この間話したよなぁ。その、お目当てが、あの人なんでィ。」


『と、ゆーことは、仕事掛け持ちしてるってこと?』


「そーゆーことでさァ。」


『なんか訳ありって感じだね。』


「どうも、親の作った借金の返済の為らしいでさァ。そーゆー話に近藤さんは、弱いですからねィ。」


『お金とか渡してないよねっ!?』


「一度、渡そうとしたらしいですが、突き返されたそうでィ。」


…じゃあ、騙されてるんじゃないみたいね。


『ふ〜ん。叶わぬ恋ねぇ…。』


「何でィ?自分とダブらせてるんですかィ?」


出たっ!


総悟の黒い笑み…


『あたしは、そんな勝ち目のない恋なんてしないわよっ!』


「ムキになるとこが、余計に怪しいってもんですぜィ。土方コノヤローの、何処がいいのかねィ。」



『…何言ってんの?!あたし、既婚者に興味ないし。』


総悟が、驚いた顔をした。


「何でそれを?」


『指輪。左手の薬指の指輪よっ。』


あたしは、自分の手を指差しながら、言った。


『はぁ。流石、目敏いですねィ。』


やっぱり、結婚してたんだ…


『ねぇ、奥さんって、どんな人?土方さんの奥さんだから、きっと綺麗な人なんだろうなぁ…』


「そりゃ、もう超別嬪ですぜィ。俺に似て。」


『総悟に似てたら、綺麗だよねぇ…って、何で総悟に似てるのよっ!?』


「俺に似てて当然でさァ。俺の姉さんなんだから。」





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