純情乙女
8
『あたし、新八君に、お姉さんの事、聞いてみよっか?』
キャラメルパフェをパクつきながら、あたしは総悟に聞いてみた。
「そうですねィ…」
総悟は、顔をしかめている。
『やっぱ、でしゃばり過ぎかな?』
「いやねぇ…実は、近藤さんの一方的な片思いで、あちらさんは、迷惑がってるんでさぁ。」
『はぁーっ?!』
「近藤さんが、キャバクラに行ってるって事ぁ、この間話したよなぁ。その、お目当てが、あの人なんでィ。」
『と、ゆーことは、仕事掛け持ちしてるってこと?』
「そーゆーことでさァ。」
『なんか訳ありって感じだね。』
「どうも、親の作った借金の返済の為らしいでさァ。そーゆー話に近藤さんは、弱いですからねィ。」
『お金とか渡してないよねっ!?』
「一度、渡そうとしたらしいですが、突き返されたそうでィ。」
…じゃあ、騙されてるんじゃないみたいね。
『ふ〜ん。叶わぬ恋ねぇ…。』
「何でィ?自分とダブらせてるんですかィ?」
出たっ!
総悟の黒い笑み…
『あたしは、そんな勝ち目のない恋なんてしないわよっ!』
「ムキになるとこが、余計に怪しいってもんですぜィ。土方コノヤローの、何処がいいのかねィ。」
『…何言ってんの?!あたし、既婚者に興味ないし。』
総悟が、驚いた顔をした。
「何でそれを?」
『指輪。左手の薬指の指輪よっ。』
あたしは、自分の手を指差しながら、言った。
『はぁ。流石、目敏いですねィ。』
やっぱり、結婚してたんだ…
『ねぇ、奥さんって、どんな人?土方さんの奥さんだから、きっと綺麗な人なんだろうなぁ…』
「そりゃ、もう超別嬪ですぜィ。俺に似て。」
『総悟に似てたら、綺麗だよねぇ…って、何で総悟に似てるのよっ!?』
「俺に似てて当然でさァ。俺の姉さんなんだから。」
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