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純情乙女




やっぱり、あたし…


恋してる?!


こんなの初めてだ。


笑顔にドキドキしたり、

側に居るだけで、緊張するなんて…


あたしは、中2の男子ですかーっ?!


仕事に集中出来ないから、なるべく土方さんを見ないようにした。


すでに集中出来てないけど…


「ありがとうございましたーっ!」


誰かが帰るんだと思って見てみると、真選不動産チームだった。


最後に一目…


あたしは、テーブルを片付けるのを理由に、こっそり真選不動産チームのお見送りをしていた。


後ろ姿もカッコイイ…


なんて、見取れていると、


「おい、花音」


後ろから声がした。


『なんでィ?』


「真似してるんですかィ?」


黒い笑み…じゃない、沖田さんが立っていた。


『あれ?帰らないんですか?』


「終わるまで待ってるから、一緒に帰ろう…なんて、言うと思いましたかィ?」


やっぱり、黒い笑みだ。


『ホントに、沖田さんって、意地悪ですよねぇ』


「明日、仕事が休みだから、俺に付き合いなせェ。」


『はあぁーっ?!』


テーブルを片付けていたので、沖田さんに背を向けていたあたしは、驚いて振り返り、変な声をあげた。


『何言ってんの?明日は、水曜日ですよっ!?』


「不動産屋は、水曜日が休みなんでィ。当然だろ?」


そうゆー事じゃなくてぇって、不動産屋って水曜日が休みなの?
そうなんだぁ…

イヤイヤ、感心している場合じゃない。


『あたし、学校ありますから。』


「1日ぐらい休んだって、どうって事ねぇよ。明日の10時に、この店の前で待ってるから。じゃあなっ!」


そういい残して、沖田さんは、去って行った…


あたしは、片付けたお皿を乗せたお盆を持ったまま、フリーズ状態だった。


「ふ〜ん。花音の恋の病の原因は、真選不動産の若造だったのかぁ。」


どこからともなく、やる気のない声。


『違いますっ!ってゆーか、聞いてたのっ?!』


「俺は、花音の仕事が終わるまで、待ってるよぉ〜。」


ニタ〜ッと、笑う坂田さん。

最初から聞いてたのかよっ!


『盗み聞きなんて、いやらしい!どれだけ、あたしが好きなのよっ?』


あたしも、ニタ〜ッと笑ってやった。


「ものすっごーくっw好きなんだけど〜。まあ、その、好きな女が幸せになるなら、協力してやってもいいぜ。」


『だから、沖田さんじやないってばっ!』


しまった!沖田さん以外の人だってバレちゃう!


「はいはい。デートに行くんなら、まぁ、アレだ。セットぐらいしてやるぜぇ。気が向いたら店に来いよ。店開けんの、昼の1時からだけどよぉ。」


…どんだけ、やる気ないんだ、アンタ。


ごっそーさん
と言って、坂田さんも帰って行った。


さぁ、どうする?花音。


これは、土方さんに近付けるチャンス!


なのか?……





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