純情乙女
1
…なぁんだ
結婚してんのかよぉ…
帰宅後、ベットに寝転び、目を閉じた。
フラッシュバックの様に、何度も映し出される
土方さんの
左手の薬指――
あ゛ーっ!!
らしくない。
既婚者相手じゃ、
後々、面倒になるのも、ごめんだし
店に迷惑掛けたりするかもしんないし
結構、今のバイト気に入ってるしね――
…なんて、何、土方さんとラブリーな関係になる事前提に考えてんの?
はぁ…
馬鹿馬鹿しい
こんな時は蓮に電話だっ!
『もしも〜し!蓮クンですかぁ〜?』
「なんだよっ?やけに、テンション高ぇじゃん。」
『ん〜?ちょっとねぇw
明日、ヒマ?ってゆーか、ヒマでしょ?学校終わったら、買い物付き合ってよ!』
「あのねぇ!それが、人にモノを頼む態度かよっ!?ったくよ、俺を何だと思ってんだよ!」
『花音ちゃんの、大事なお友達?』
「何で”?”なんだよっ!あぁ!もう、勝手にしてくれよ!」
『なんだかんだ言って、OKしてくれるんだからぁw!蓮クン、どわぁ〜い好きっ』
「キモイんだよっ!
じゃっ、明日なっ!」
ブチッ!
一方的に切られてしまった。
蓮のこと、もて遊んでんじゃないんだよ。
本当に、大好きなんだよ。
だから、今の関係を壊したくないんだよ…
あたしって
勝手すぎるかなぁ…
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