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三十路の第一歩




『と、ゆー訳で、仕事溜まったら、呼んでください。』



「「「溜まったら?」」」


不思議そうに、尋ねる三人。


『あたし、短期集中型だから。』



………


少しの沈黙の後、ダンディ土方が、口を開いた。


「っちゅーこたぁ、あん時みてぇに…」


『そっ!その方が仕事捗るし。空いてる時間、ぐうたら出来るしねぇ』



顔色を変えた三人を尻目に、じゃあ〜ねぇ〜と、背を向けて手を振り、
あたしは、自分の部屋へ向かった。




『これから、よろしくお願いします。』


あたしは、部屋の前で一礼した。



箪笥に、机。パソコン。


そして、わがままを言って買ってもらった、冷蔵庫。


部屋が奧にあるので、食堂から遠い。


命のコーヒー牛乳が、飲みたい時に飲めないなんて、ありえなーいっ!!


と言って、暴れるもんだから、近藤さんが、飲み物専用の、小さい冷蔵庫を買ってくれたのだ。


『ありがたやぁ、ありがたやぁ。』


あたしは、早速、冷蔵庫からコーヒー牛乳を取り出す。


もちろん、1リットルパックを、ラッパ飲みで。


そして、煙草に火を付けた。



『ふ〜っ。まさか、ここで、やっかいになるとはね…。ホント、人生って解らない。
あたし、犯罪者だったのに…ははっ
アハハハハーッ!』



「おい、気味悪ぃんですけど。」



ガラス戸にもたれて、ダンディ土方が立っていた。



『いや〜。なんだか、奇妙な展開だなぁと思って。』



「まっ、確かにな。」



『で、何用で?』


「さっきの…総悟…
どうやって手なずけんだ?」


『聞いて、どうするんですか?』



「俺にも出来ねぇかと、思ってよ。」



あ〜っ。確かに。


総悟が、ダンディ土方にやってることって、
殺人未遂だもんね。



『ムリムリ。土方さんじゃ、出来ませんよ。』


「なっ、何でだよっ!?」


俺に出来ねぇ事なんてねぇ!
と、言わんばかりの勢いで、突っ掛かってきた。



『だって…土方さん、男だから。』


「はぁっ?!」


『だから、無理です。』



すると、ダンディ土方の顔が、みるみる赤くなっていった。



「おっ、お前、まさかっ!?」



『フフッ。な・い・しょ』


そう言って、ダンディ土方の唇に、指を当ててやった。


「バッ、バカ言ってんじゃねーっ!」



そう言い残して、ダンディ土方は、去って行った。



やっぱ、楽しいよねぇ。


ダンディ土方、おちょくるの。


さてと…


昼寝でも、するか…





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