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三十路の第一歩




荷物を持って、表に出ると、パチンコ屋から出て来た長谷川さんと、鉢合わせした。



「あぁーっ!名前ちゃんじゃない〜っ!大変な目に合ったらしいねぇ。
元気にしてたぁ?」



相変わらず、プーなんだな。長谷川さんは。


「はぁ、なんとか…
長谷川さんは、相変わらずみたいですね。」



「勝利の女神が居なくなっちゃったから、さっぱりだよ〜。」



そんな事、言ってんじゃなくて、相変わらずプーだって言ってんのっ!



「で、名前ちゃん、今どうしてんの?」



『今、真選組でお世話になってます。』



そう言って、少し離れた所で、段ボールを持って立っている、ダンディ土方の方をチラリと見た。



「えっ?真選組?!」


『あたし、犯人扱いされて、逮捕されそうになったんですよ。
とりあえず、誤解は解けたんですけど、住むとこなくなったから…』



「あぁ、そうか。ここの2階に住んでたんだもんね。
あっ、そういや、銀さんが前の店長の事、調べてたみたいだったけど…」



『銀さんがっ?!』



あたしは、驚きの余り、大声を出してしまった。



「万事屋が、何だって?」



その声に、ダンディ土方が話に混じってきた。



そーいや、銀さんと知り合いっぽかったよなぁ…



「あっ、あの事件の後、銀さんがここの従業員に何やら聞き出してたんだよ。
どうやら、あの店長、女にだらし無かったみたいでさぁ…」



もしかして、あたしが店長を突き落として逮捕されたの知って、調べてくれてたの?



まさかねぇ…



でも、事件の後に、店長の事を調べるなんて、


他に理由がない…



あたしは、肩に掛けていた、バックを落としてしまった。



長谷川さんも、あたしの様子が変わったことに気付いて、じゃ、俺は。と言葉を残して、去って行ってしまった。



「おい、けーるぞ。」

そう言って、ダンディ土方は、あたしの肩を抱き寄せた。





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あきゅろす。
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