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Silver Chain




「今日は、祭があるらしいな…」


俺は、変化をして、この世界の住民に成り済まし、街の中を散策している。



片目を隠す為に、眼帯をし、目立つ髪を網笠でごまかし、着流しに身を包む。


どうやら、刀を主に武器としているらしく、忍の気配は無い。


そして、一番驚いたのは、¨天人¨と呼ばれる、奇妙な生物が居る事だ。



見かけは、動物の様だが、言葉を話す。


しかも、この¨天人¨が人間を支配しているらしい。


まったく…


とんでもない世界に来ちゃったようダネ…


とりあえず、祭に出向いてみようか…


人の集まる所へ行けば、何か手掛かりを掴めるかもしれない。


生憎、俺は住民に同化していて、怪しまれている様子も無い。



―――ん?


今まで感じた事の無い気配がする。


殺気とは違う、なんとも言えない、威圧感。


そのクセに、人を安心させる様な暖かさ…


俺は、その気配の根源を探る。



前から歩いてくる男。


俺と同じ、銀色の髪。



俺を威圧する気配とは裏腹に、なんともけだるそうに歩いて来る、その姿。


気配と風貌に差がありすぎるじゃナイ…


俺は、気配を消し、その男とすれ違うのを待った。


男がチラリと、こちらを見た。


俺もチラリと見る。


目が合った瞬間


時が止まった―――



…気付かれたかっ!?



しかし、何事も無かったかの様に、男は俺の横を過ぎて行った。



ただ者じゃ〜ないネ。


危ない、危ない。


油断は禁物だ。


平和そうに見えるこの街にも、あんなヤツが居るということは、他にも、普通のナリして、牙を隠してるヤツが居るだろう。


って、今の俺がそうか…


俺は気を引き締め、祭に向かうであろう人の波に飲まれて、足を進めた。





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