Silver Chain
2
『お呼びでしょうか』
火影様は、目の前に現れたあたしを見て
「えらく、早かったのぉ莎罹」
えぇ、あたしは今朝方帰ったとこですからね。
寝てました…よ
などと、悪態をつけるはずがなく
『はい。睡眠は十分取れましたから』
その言葉を聞き、口角を上げて、ニッと笑みをこぼした火影様は続けた
「早速で悪いのだが、任務に出てもらう。内容は大名の暗殺だ。」
『暗殺…ですか』
「あぁ。偵察に向かわせた暗部の情報によると
今夜、取引が行われるらしいのじゃ」
『取引ですか?』
「薬の密売だ。売人もろとも、潰してほしい。あと一人、暗部を付ける。ツーマンセルで先陣を切ってくれ。後で、応援を寄越す」
スタッ
静かな足音と共に
一人の暗部が現れた。
「莎罹と一緒なら
安心して任務が出来るね」
その人物とは、何度も任務でマンセルを組んでいて、あたしにとっても、安心して後を任せられる相手だった。
『テンゾウ、よろしくねっ』
それに、
人付合いが苦手なあたしにとって
むやみに絡んでくることなく
黙々と任務をこなすテンゾウとのマンセルは
とてもやりやすかった。
「こちらこそ。じゃあ、打合せの時間をみて
9時に集合でいいかな?」
テンゾウは、相変わらず無表情で話し掛けてきた
でも、瞳は優しい。
『了解』
あたしも無表情で返した
あたしの眼は
どう映っているのだろう
「では、莎罹、テンゾウ、頼んだぞ」
「『御意』」
あたし達は、瞬身で消えた。
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