Silver Chain
7
「失敗したようだな、高杉。」
俺の後に現れた男。
今、俺を恐れることなく近付くヤツは、コイツぐらいだろう。
「思わぬ邪魔が入ってなぁ。将軍の首なんて、どうでもよくなっちまったぜ。
まったくよぉ、アイツには、いつも驚かされる。」
「銀時に会ったのか?」
「あぁ、アイツにも、会ったなぁ。ククッ…アイツも、まだ牙を持ってやがったぜ。」
「アイツにも?…銀時ではないのか?」
「俺を驚かすっていやぁ、アイツしか居ねぇだろ」
「もしや…」
「俺が最後に見た、雷の雨が、昨日降ったんだよ。」
そうさ…
雷の雨を残して消えたアイツは、
雷の雨と共に現れやがった。
「花音かっ!?」
網笠を被っていて、顔は見えないが、ヅラの焦っている様子が、手に取る様にわかる。
「間違いねぇ。
まぁ、どうやら、今の俺達とは敵同士みてぇだがな。」
「敵?…真選組に居るのか?」
そうさ。今の俺の敵は、天人じゃない。
「俺が、行った時には、もう姿がなかったがな。見事にカラクリ共を、ぶっ倒してやがった。
アイツも…花音もまだ牙を持ってるようだぜ。」
「……」
ヅラの気配が消えた。
真意を確かめに、銀時の所へ向かったってとこだろう。
俺も、花音の牙が、どんな獣に付いているのか、確かめに行くか…
獣次第では、お前を掻っ攫うかもな…
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