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Silver Chain




賑わう出店を避け、祭から外れた場所で、様子を伺う。



花音の気配は…


あーっ!チャクラコントロールが、難しい。


これじゃあ、花音の気配どころか、怪しいヤツの気配さえ感じ取れないじゃナイ。


俺、今、ココで襲われたら、負けちゃうかもなぁ…


いやぁ、参ったねぇ…


などと、途方に暮れていると、人々が騒ぎだした。


カラクリの暴走?


ちょっと、見学に行ってみましょうか。


俺は、逃げてくる人達とは逆行し、カラクリ達が暴走している場所が見える木の上に登った。



ほぉ…


刀だけで、やってくれるじゃナイ。


ハヤテもビックリだね。


動きにムダがなく、スキもない。


この連中が、ココを護っているのか…


感心しながら、カラクリと、黒服の男達の闘いを傍観する。


ふと、空を見上げると


――満月



ヤバイッ!


俺の考えが正しければ、
木の葉に戻る封印式が浮かび上がるのは、満月の日だ。


「もうちょっと、見たかったんだけどネ…」


俺は、奮闘中の黒服の健闘を祈りつつ、
ココに着いた、あの寺へと足を向けた。





「ふぅ…到着。」



俺が寺に着くと、思った通り、
月の光を吸い込むかの様に、封印式が浮かび上がっていた。


「やはりな…」


俺は、結界を解き、
封印式を解き始めた。


その時―――


雷の粒が、雨の様に降り注ぐのが見えた。


そして、体全体で感じた、なつかいし気配…



「…花音っ!!」



間違いない。


あれは、花音の術。


そして、求め続けた、愛しい気配。



確実に花音の存在を捕らえたのに、


解けていく封印式――


クソッ…俺は、どうすれば…



冷静になれ。


花音の生存は確認出来た。


封印式の仕組みも解った。


じゃあ、俺は…



「花音、必ず戻ってくるからなっ!」



俺は、今にも走り出そうとする気持ちを抑え、


光の中へと、飛び込んだ。





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あきゅろす。
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