Silver Chain
11
「うっ…ここは…
何処だ…」
木の根元で目を覚ました俺は、まだ覚醒しない頭の中を、叩き起こした。
「あぁ…封印式が解けて俺は光の中に…」
もし、あの封印式が時空間移動のものであれば、俺は…
「しかし…どう見ても、寺だよな…
これだけじゃ、何処に来たのか解らないじゃない…」
とりあえず、体に異常はなさそうだね…
「よっと。」
俺は立ち上がり、目が覚めた木の根元に結界を張り、
ココが何処なのか確認するべく、寺を後にした。
人里から離れているらしく、辺りは暗闇。
光といえば、俺を照らす
月の明かりだけ。
「何っ!?」
俺は、見上げた月に、違和感を感じた。
「月が…満月じゃないっ!」
俺は、「ふぅ〜っ」と、
一呼吸置いた
。
「どうやら、時空間移動だけじゃないみたいだ〜ね…」
さっきから感じていた違和感。
木の葉以外でも感じた事のない、雰囲気。
どうやら、過去に戻ったって訳じゃなさそうだ…。
それに、他の国って感じでもない。
「時空間移動どころか、異空間移動しちゃったっじゃない。」
自嘲気味に笑みを零し、
俺は、人の気配をだとりながら、
無我夢中で走った。
ココが何処だなんて、今の俺には、どうでもよかった。
ただ、花音の手掛かりを求めて…
花音は、ココに居る。
根拠の無い自信だけを頼りに…
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