Silver Chain
6
「あぁ〜美味かったぁ。」
俺は、いちごパフェを満喫して、神楽と新八を連れて通りを歩いていた。
「あっ、姉上!」
「あら、新ちゃん。」
新八の姉、お妙が前から歩いて来た。
「どこに行くんですか?まだ、仕事の時間じゃないですよね?」
「えぇ。晩御飯のおかずを買いに。」
そう言って、広げた袋のなかには、何個かの卵が入っていた。
「あら、銀さん。お久しぶり。銀さんたちも、晩御飯、ご一緒にどぉ?」
「いっ、いや、遠慮しとくわ。」
お妙の作る料理は、食べ物ではない。
ましてや、玉子焼とくれば、真っ黒にこげて、原型を無くしてしまった、可哀相な卵だ。
「あら、そぉ?じゃあ、また今度。あっ、そうだわ。さっき、男に絡まれてたところを助けてもらったのよ。」
「絡まれた〜っ?!お前が?相手は無事なのか?」
「まあ、失礼ね。卵を持っていたから、応戦できなくて困っていたのよ。そこに、女の子が現れて…。」
「女の子に助けてもらったんですか?!」
新八が驚いて、声をあげた。
「ええ。新ちゃんより、少し年上ぐらいかしら?袴姿だったけど、とても綺麗な女の子だったわ。でも、不思議なのよ。
その女の子が、何をしたのか解らなかったけど、男達が動けなくなっちゃったのよ。」
「動けなくなった?マジシャンか何かでしょうか?」
「さぁ…。でも、真選組の沖田さんと一緒に居たから、真選組の方かしら?」
「真選組に女の子なんて居ましたっけ?ねぇ、銀さん。」
「あぁ?居ねぇんじゃねぇの?」
「そうですよねぇ…」
俺は、こいつらの話を聞きながら、一人の女を思い出していた。
…まさかなぁ
でも、まぁ、気になるじゃない。
ちょっくら真選組に、偵察にでも行こうか…
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