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Silver Chain




揉めていたのは、柄の悪そうな若い男数人と、若い女だった。


揉めているというより、絡まれているらしい。


『ちょっと、君達、女一人に、男が多勢なんて、みっともないと思わない?』



あたしの声で、男達がこちらを見た。


「うるせーなぁ!てめぇには、関係ねぇだろっ!」


一人の男が、声を荒げた。


『関係はないけど、見て見ぬフリって訳にもいかないのよ。』


「てめーっ!調子に乗りやがってーっ!」


声を荒げた男が、襲い掛かって来た。


あたしは、素早く印を結んだ。



…男の動きが止まった。



「くっ…どういう事だ。体が動かねぇ…」


あたしは、その男に、金縛りの術をかけたのだ。


その場が、一瞬、静まり返った。



沖田も、見守っていたものの、何が起こったのか解らず、近づいてきた。



「何をしたんでィ?」



『えっと…説明してる暇ないようです。』


他の男達が、襲い掛かって来た。


あたしは、また、素早く印を結んだ。


雷遁の術を使って、男達に軽く電流を落とし、痺れさせた。


男達は、動けなくなり、その場にへたりこんだ。



「だから、一体、何したんでィ!」



『説明してませんでしたね。あたし、忍だから、忍術使えるんです。
ちょっと電流落としたから、当分、動けませんよ。真選組に連絡して、引取に来てもらいますね。』


あたしは淡々と、沖田に説明した。



腑に落ちないような顔をして何か言いたげな沖田に背を向け、
あたしは、真選組に連絡を入れに行った。


その後、絡まれていた女に近付いた。


『大丈夫でしたか?お怪我は、ありませんか?』



「あっ、大丈夫です。ありがとうございました。ぶつかっただけなのに、絡んできたんです。
本当に、ありがとうございました。」


『いえいえ。これからは、あたしの仕事になるかもしれませんから。
では。』


意味が解らなかったのだろう。
女は首を傾げた。


あたしは、軽く笑みを零し、沖田の所へ向かった。





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