[携帯モード] [URL送信]

Silver Chain




『…15・16・17』


…なんだ、朝早くから

花音の声が聞こえる

俺は、眠い目を擦りながら、外を見た。


そこには、白い八巻をまいた花音とヅラの姿があった。

俺は、もう一度、目を擦った。


なんだ、あの格好!!


どこから用意したのか

剣道着姿の二人。

ヅラが花音の姿勢などを注意しながら
素振りをしている。

…やっぱりズレてるな

それに素直に従っている花音が、可哀相に思えたが
こんな花音の姿を見れるのも、いいもんだ


俺は、もう一眠りすることにして

なんだか、暖かい気持ちで、布団に入った



「花音!もっと、素早く腕を振り下ろしてっ!」


桂は、一生懸命、教えてくれている。


でも…
朝、4時からって…

まだ、暗いよ…


それに


なんで、こんな格好してんだろ?


桂に、
「これに着替えてこい」

と言われ、手渡された物を見てあたしが、固まっていると


「まずは、形から入るものだ」

と言われた。

仕方なく着替えた
剣道着。


桂の前に姿を現すと


「うん。実に似合っている。うんうん。」


かなり、満足していた。


教えてもらうのだから


…従う方がイイよね…


そして、素振りの稽古が始まった。


竹刀を持つと、桂の目付きが変わった。


要点を的確に、指示してくれる。


桂に頼んだのは正解のようだ。


ただ…


この格好を除けば…―





[*前へ]

9/9ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!