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Silver Chain




『…あのさ…
あたしに
剣術教えてくれないかな…』


「花音が、走って
やってきたと思ったら
いきなり、なんだっ?!」


『…あたし、強くなりたくて。銀時が、ヅラなら教えてくれるんじゃないかって…』


「ヅラじゃない!桂だっ!で、銀時が俺に?」


…銀時のヤツ、何を考えてるんだ。

花音の方から近付いてきてくれたのは
嬉しいが…


『…やっぱり、無理だよね。ごめんね、桂。』


「桂じゃない!ヅラだっ!…じゃなかった
いやっ、花音の申し出を、断る訳がないじゃないか。」


…花音と仲良く
なれるチャンスじゃないか。
断る訳がない。


『本当?よかったぁ』


花音の表情が変わった。

ここに来た頃とは、大違いだ。


「…で、どうして剣術を?忍術があるじゃないか。」


『…うん。銀時と約束したんだ。忍術使うの控えるって。』


「そうか…。では、明日の早朝から稽古に入るぞ」


『わかった!ズラ、ありがとう』


…桂は、それ以上
訳を聞かなかった。

銀時の事、信じてるからだよね。


だから、訳も聞かず
引き受けてくれたんだよね。


あなた達の関係が
羨ましいよ…


「ヅラじゃない!桂だ」

…そこは、突っ込むんだ


『ふふっ。では、明日からよろしくお願いします』

あたしは、深々と頭を下げた。


「あ、あぁ。こちらこそよろしく頼む。」

桂も、同じ様に
深々と頭を下げた。


「…何やってんだ。あいつら」


銀時と高杉が、見ていたとも知らず


あたしと桂は

『いえ、こちらこそ』

「イヤイヤ、こちらこそ」


と、何回も繰り返していた…





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あきゅろす。
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