Silver Chain
4
あたしは、銀時に
抱きしめられている…
ふわふわの髪が
頬を掠めて
くすぐったい
『…忍はね、任務完了させる為には、死をも厭わない。…死ぬ事を前提に、任務に向かう時もある。…それが忍よ』
「…それが、今まで花音が生きてきた世界では
当たり前なのかもしれねぇ。
だけどよ、今花音が生きてるのは、ここだ。だから、ここでは、そんな考え捨てちまえ。
捨て切れねぇって言うんなら
…忍なんて、辞めちめぇ」
銀時の腕の力が増して
更に引き寄せられた。
『…じゃあ、なんで銀時は闘うの?』
あたしは、銀時の胸に押し付けられた状態で聞いた。
「…護りてぇもんが
あるからだよ」
『護りたいもの?』
「そう。護りたいもの。それを失わない為に
闘うのさ…」
…あたしには、考えもつかない事だった。
あたしは、ただ
心の隙間を埋めるのに
闘っていただけだ…
あたしには、護りたいものなんて
なかった…――
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