Silver Chain
8
あたしは、今日も屋根に登り、月を見ていた。
「よぉ。」
あたしに、許可を得ることなく
横に寝転ぶ、銀髪
あの、月と同じ色
「あのよぉ…俺が花音を見付けた時、お前
俺を見て《カカシ》って言ったんだけどよぉ
…俺を案山子に見間違えるたぁよぉ…
アレかぁ?俺は、たんぼに立ってる、へのへのもへじですかぁ?」
ムッとして、あたしを見た銀時が
あたしの顔を見て
驚いている。
「おっ、おいっ!別に怒ってねぇよ。あっ、アレだよ。ショックっつーか傷付いたっつーかよぉ。…だから、泣くなよ。」
花音がそんな事で泣くなんてよぉ…と言いながら、銀時は、頭を掻いた。
…あたし、銀時が、兄貴に見えたんだ…―
知らないうちに
零れた涙が頬を伝って、あたしの手に落ちた。
『…違う。カカシっていうのは、兄貴の名前。』
「はぁっ?お前、兄貴が居たのかよ?」
銀時は、更に驚き、飛び起きた。
『…まぁね…』
あたしは、曖昧に返事をした。
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