Silver Chain
7
「おっ、居た、居た。
おいっ高杉。てめぇ花音に何もしてねぇだろーなぁっ!?」
にやけ顔の銀時が近づいてきた。
「あぁ〜んっ?こいつが来たんじゃねぇか。てめぇこそ、小娘相手に、何ムキになってんだぁ?」
喧嘩腰の二人の顔は
ニヤリと笑っていた。
こんな会話の中にも
通ずる何か…
心が通い合う
これが〈信じる〉事なのか…
「ちっ、違ぇーよっ!
花音は、病み上がりだからよ。お前のせいで、ブッ倒れたんじゃねぇか!」
「あぁ…。そうだったな花音…、もう大丈夫なのか?」
高杉が、あたしの名を呼んだ…
『…ん。あれは、病気とかじゃないから…。もう大丈夫。』
「…そうか。」
高杉は、そう言って
また、刀の手入れを始めた。
あたしは、銀時の方へ
向かった。
銀時は、何もかも見透かした様に、高杉を見ていた。
そして「ふっ」と笑みを零した。
「おい花音、あいつは危ねえ野郎だから
一人で近づくなよっ!」
どこまで、あまのじゃくなのだろう。
でも、これが、本当に信頼している仲間なんだろう。
あたしも、自然に笑みが零れた。
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