Silver Chain
4
急に、空が明るくなった
と、いうよりも
月の輝きが増した。
その光は、ある一点を照らしている様だった。
…あの方向は…――
花音が居る方向だっ!
俺は、何か、とてつもない不安に襲われ
スピードを上げて
花音の居る方へと急いだ。
「花音!花音!」
花音が居たはずの場所には、花音は居なかった。
何も無かったかのように
静まり返ったその場所には
花音の面が落ちていた。
…何があったんだ…―
争った後は無い。
「…花音どこに行ったんだ…。待っててって、言ったじゃナイ…
近づいたと思ったら
また、離れちゃうのか?…花音」
俺は、成す術もなく
面を握りしめ
その場に立ちすくした…
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