Silver Chain
4
蓮は、眼を閉じたままだったが、
脈も呼吸も、安定していた。
「止血をしたけど、傷は、塞がってない。とりあえず、応急処置で包帯を巻いてある。
出血が多かったから、兵糧丸を飲ませた。
今は、脈・呼吸共に正常。」
淡々と話す、あたしを見て
「完璧で、簡潔な説明。ご〜かくっ!じゃ、動かしても大丈夫だよネ?」
と、いいながら兄貴は、蓮に背を向け、しゃがみ込んだ。
そして「乗せろ」というように、あたしに眼で合図をした。
「医療班待ってるより、俺が運んだ方が速いデショ。こっちに向かってるはずだから、途中で会うだろうしネ。」
兄貴は、とても優しい笑顔で、立ち上がった。
『…あ、ありがとう。』
やっぱり、兄貴は…
心の奥まで壊れてなかったの?
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