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Silver Chain




蓮は、眼を閉じたままだったが、
脈も呼吸も、安定していた。


「止血をしたけど、傷は、塞がってない。とりあえず、応急処置で包帯を巻いてある。
出血が多かったから、兵糧丸を飲ませた。
今は、脈・呼吸共に正常。」


淡々と話す、あたしを見て

「完璧で、簡潔な説明。ご〜かくっ!じゃ、動かしても大丈夫だよネ?」


と、いいながら兄貴は、蓮に背を向け、しゃがみ込んだ。


そして「乗せろ」というように、あたしに眼で合図をした。


「医療班待ってるより、俺が運んだ方が速いデショ。こっちに向かってるはずだから、途中で会うだろうしネ。」


兄貴は、とても優しい笑顔で、立ち上がった。


『…あ、ありがとう。』


やっぱり、兄貴は…

心の奥まで壊れてなかったの?




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あきゅろす。
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