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Silver Chain




あたしの両親はカカシの父…――サクモおじさんの部下だった。
両親が殉職し、身寄りの無かったあたしを
サクモおじさんが、引き取ってくれた。
もともと、上司と部下の関係から
お互いの家を行き来していたので、カカシの事は
兄の用に慕っていた。
何の違和感もなく
はたけ家に馴染んでいった。
サクモおじさんも、娘が出来たと、とても可愛がってくれた。
カカシも、目尻を下げるサクモおじさんにとまどいながらも、あたしの事を、妹として可愛がってくれていた。



その日は、いつもの様に
カカシと修業に行っていた。
「サクモおじちゃ〜ん!ただいまぁ〜!今日ねっ手裏剣が上手に出来…」

褒めてもらいたくて
目尻のさがった優しい笑顔が見たくて
一目散に向かった先には
あたしの望んだものではなく
魂の抜けた、入れ物だけになってしまった
サクモおじさんの姿だった。

あたしの異変に気付いた
カカシが飛び込んできた


「花音!!見るんじゃないっ!こっちへっ!!」

あたしは、カカシに抱き寄せられた。
目に入ってきた映像の意味を理解しようとしたが
真っ白になった、あたしの頭は、受け入れてはくれなかった。

カカシの腕の中で
ボーッとしたままでいると

「花音大丈夫だから。大丈夫だから。少しここで待てる?」

あたしをあやすように
優しい声で
でも、カカシの声は
震えていた。




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あきゅろす。
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