Silver Chain
2
「花音ーっ!!」
あたしの、名前を叫びながら、飛び込んで来た男が
いきなり、あたしを抱きしめた。
「…よかった、無事で…」
『…あに…き?』
ちょ、ちょっと!
いつもの、飄々とした兄貴は、どこに行ったの?
すっごく、取り乱してるし、息まで切らして、
しかも、汗かいてる。
「医療班要請の式が来たって聞いて、びっくりしたんだカラ。」
兄貴は、あたしを抱きしめたまま、呟いた。
『だっ、大丈夫だよ!あたしを、誰だと思ってんのよ!そっ、それより、蓮の方が、大変なのっ!医療班はっ?』
「いや〜っ、一緒に来たんだけど、俺が飛ばしすぎて、先に着いた…みたいな?」
困った様な、笑顔を見せ、いつもの、飄々とした兄貴に戻っていた。
『…みたいな?じゃないっ!!蓮は、危険な状態なのよっ!』
あたしは、兄貴の胸倉を掴んで、叫んだ。
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