Silver Chain
1
『蓮っ!よかった。意識が戻って…』
あたしは、全身の力が抜けて、崩れるように
座り込んだ。
「…莎罹さん…です…か」
絞り出す様に、蓮が、声を出した。
あたしは、蓮の手を握りしめた。
『そうだよ。あたし達の応援の為に…
ごめんね、蓮。もうすぐ医療班が来るから、それまで、がんばって。』
蓮は、静かに頷くと、
周りを見渡した。
「…あの…おう…か…
は、…どこ…に…」
蓮は、心配そうに、訪ねてきた。
『大丈夫。腕に傷を負っていたけど、深くはなかったよ。テンゾウが、先に連れて帰ってくれてるから、安心して。』
あたしの話を聞き終えて、蓮は静かに礼を言い、瞼を閉じた。
脈も安定してるし、呼吸も穏やかだ。
とりあえず、一安心ってとこか…
でもね、あんたを救えたのは、桜華のおかげなんだよ。
…あの決意を見せられて
あたしの心が動いたんだよ…
…――ガサッ
背後から、何かが
飛び込んで来た…
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