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Silver Chain




「流石だね。僕の援護
必要なかったね。先輩仕込みの、華麗な舞に見取れてしまったよ」

苦笑いをしながら、テンゾウが声をかけた。


『…まぁね。後の処理、よろしくぅ〜』

莎罹は、掌をヒラヒラさせながら
呼吸を整えるために
近くの木の根元に腰を下ろした。

その間にテンゾウが土遁で、跡形もなく更地に変えていた。


『テンゾウこそ、流石だわ。あっとゆーまに、この状態だもの』

莎罹は、テンゾウの側に寄り
さっきまでの、無惨な状況を思い出していた。

…あたしが、唯一生きている事を実感させてくれる瞬間。
でも、それは、ほんの一時で、跡形もなく消えていく…
そして、残るのは、開いた心の穴…


決して埋まる事のない穴


「任務完了だね。式は出しておくよ。少し、休んでから、戻ろうか?」

呆然と更地を見つめて
立ちすくんでいたあたしに、テンゾウは気を使ってくれていた。


『大丈夫。それに、これを嗅ぎ付けて、他の敵が来るかもしれないし』


一番の理由は、その通りだったが、本当のところ
この場から早く立ち去りたかった。


「それも、そうだね。


そう言って、テンゾウが莎罹の頭をポンポンと軽く叩いた。


まるで、莎罹を慰めるかの様に…


そして二人は、木の葉へ戻るために
地面を蹴った。




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