倒してみんさい
2
俺は、主将にお願いして、烏野対音駒の練習試合を観に来た。
体育館の観客席に座り観察し始めた。
烏野には、前回見なかった人が二人いた。一人は中学の時にリベロをしている姿を見たことがあり、去年の対伊達工業戦の時も一人だけ凄かったことを覚えている。もう一人の人も去年見たことがあるが、あの人が打ったスパイクは重そうだったのを覚えていた。
音駒の方は、去年とあまり変わっていないが、一人だけ一年生が入っていた。犬岡というらしい。
そんな感じで観察していたら、音駒が円陣を組みはじめた。俺は音駒の円陣を見ていたら爆笑しそうになってしまった。だって黒尾さんが・・・「俺達は血液だ、滞り無く流れろ、酸素を回せ、”脳”が正常に働くために。行くぞ。」と言っていたからだ。俺は、笑わないように必死で耐えていた。
黒尾さんが一瞬こっちの方を見たのは気のせいであってほしい。
試合が始まった。始まってすぐに日向と影山の変人速攻が決まった。やはりあの二人は要注意だと思う。でもその二人のことを研磨さんは観察していた。だってめっちゃ見てるもん。(もんってキモイって、ごめんね!)
そんな感じで試合が進んでいくうちに、音駒がタイムを取った。そして、すかさず日向対策をしてきた。さすが研磨さんだ。観察力が半端ない。これで一年生の犬岡がついていければ日向は使えない。
研磨さんは、観察をして対応してくる。スタイルは俺と少し似ているかもしれない。研磨さんは日向の意表をついてツーアタックで返して点が入った。
やっぱり研磨さんは侮れないと思いながらデータを取り続けた。
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